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28.10.05

ドゥブロフカ周辺

劇場占拠事件のあった劇場はУл. Мельникова(ウーリッツァ・メーリニコヴァ)という通りに面しているのだが、もよりの地下鉄名をとって、Дубровка(ドゥブロフカ)劇場と称されるようになってしまった。1999年当時、この地下鉄駅はまだ建設中だったので、私はそのあたりがどんな場所なのか知らなかった。ただ、Пролетарскя(プロレタールスカヤ)という地下鉄駅から南は正体不明の煙突が立ち並び、軍事関連の工場地帯のようだ、という印象しかなかった。

2000年以降、正確な年はわからないが、ドゥブロフカ駅オープン。

2004年夏、初めてドゥブロフカ駅に降りてみた。白い壁の半円プラットフォームで、けっこうシンプルな造り。地上に出てみると工場のどでかい壁が目の前にそびえる。とても閑散としていて、とても地下鉄駅周辺とは思えない。トラム(路面電車)が道の真ん中を走っているだけだ。

少し歩くと、「アセアンショップ」と書かれた怪しいマーケットがあり(どうやら閉鎖されたソ連時代の労働者クラブ建物を改装したような感じだ)、アジア系の人が行き来する。あとでわかったことだが、このあたりにはテキスタイルの工場があり、ベトナム人が多く住み着いて働いているということだ。なるほど、住宅地の中には「サイゴン」という名のベトナムレストランがあった。

モスクワ中心部のきらびやかさから遠くかけはなれた、一瞬ソ連的雰囲気を感じる工場地帯周辺。廃墟とは呼べないけれど、限りなくそれに近いにおいがする場所。ドゥブロフカという名前を聞くと、劇場占拠事件の記憶とともに、この荒涼とした工場地帯が思い起こされる。

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