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марта 2006

29.03.06

いつの間にか夏時間

ばたばたしている間に、モスクワは夏時間になってしまった。ロシアのサマータイムは、3月の最終日曜日午前2時を、午前3時に遅らせて始まる、と決まっている。したがって、日本との時差は、冬の間6時間だったのが5時間に縮まるのだ。モスクワにいた頃は、1時間損した気分になっていた。しかし別の面から考えると日没が1時間遅くなった、ということで劇場などに行くときにはなかなかうれしいのであった。

夏時間が始まったとはいえ、まだまだ寒い3月末。この日記の記入日現在、モスクワの気温は最高+4度だ。これから雨が多くなり、積もっていた雪は次第に融けてくる。べちょべちょの道路を歩かなければならないが、日が長くなり空気がなんとなく緩んでくると冬が終わったー、と実感できる(木々に緑が芽吹くまで、「春が来たー」とは実感できない)。ロシアの啓蟄である。

写真は雪解けのモスクワ川

Ice

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26.03.06

コンセプト不明のペイント車

車社会のロシア。モスクワをそぞろ歩くと、ときどき意味不明の塗装をほどこした車を目にする。
自宅近くのプジョー販売店の前に、写真のごとき車が展示されていた。明らかにフランス映画「TAXI」を意識した塗装。painted_car フランス車の店の前だから?にしては、その宣伝効果が疑われる。

はたまたトゥヴェルスコイ並木通りには、お花畑の塗装をほどこした軽自動車が堂々と路上駐車。どうやら通りに面したレストランの広告塔らしい。

自宅駐車場内には、狼やらハードコアなレザー姿の美女を施したスポーツカーも止まっていた。ニュースによると、モスクワにはこのような塗装を施してくれる「絵師」がいるそうだ。
一方、漢字を書いた乗用車も。決して日本からの中古車ではない。私がこれまで目撃したのは、「鬼」「誠」「天才」などの漢字を車の側面やトランク部分に施したもの。意味わかってんのかよ、と言いたくなるような文句ばかりだが、赤いボルボに「天才」と黒で書いてあるのには笑ってしまった。

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22.03.06

モスクワの観客における態度の考察

3月21日、ユーゴザーパド劇場の日本公演初日を見てきた。出し物は日本初公開の「マクベス」、客の入りは9割といったところか。追っかけらしきオバサンがいたのには驚いた。
開幕直前にロシア語放送と字幕で、上演中は携帯電話をお切りくださいという案内があり、皆まじめにスイッチをオフにしていた。
携帯電話の普及は着信音と光る画面の公害をもたらした。特にステージングを行う場では周りに迷惑をかけることはなはだしい。マナーのない人間はどこ国にもいるが、ロシアではその差が大きいのが現状だ。本日はモスクワで見た観客の態度を分類してみた。

1.大劇場における観客の態度
いわゆるボリショイ劇場、モスクワ芸術座、コンセルバトーリーなど、規模が大きく外国人や名士が集まる場。携帯の電源を切れというアナウンスは一応あるが、たいていの観客はマナーを守っている。うっかり着信音が鳴ろうものなら、周りの観客から厳重注意だ。もっとも、音楽を聴くコンセルバトーリーで着信音なんて論外中の論外だが。
2.中小規模の劇場での態度
舞台監督を中心に結成されているような劇場の場合。舞台と観客の距離がとても近い。上記のユーゴザーパド劇場もこれに入る。各劇場、開演前に個性豊かな「電源をお切りください」のアナウンスがある。しかし現実には、上演中着信音が鳴ったり、時間を確認するため画面を光らせたりする人がけっこういる。だいたい皆寛大で、中には着信音をアドリブに利用する俳優も。
3.子供劇場およびサーカス
基本的に親が携帯の電源を切らない。上演中、携帯が鳴り出すと急いでホールを出て行き、堂々としゃべりこむ。終演間近になると、車をまわすための電話を「かける」人も。子供が観劇している間、メールに熱中する親もいた。
4.いわゆる歌謡・バラエティコンサート
観客の年齢層が高いためか、皆静かに舞台に注目する。中にはうっかり着信音の人もいるけれども、目くじらをたてたりはしないようだ。
5.アイドルなどのコンサート
クレムリン大会宮殿などで開かれる場合は、上記1に該当。あとは2に該当。
6.ロックコンサート
無法地帯である。出入りも飲酒も携帯も自由自在。禁煙は守っている。(しかし、バラードで盛り上がると皆ライターを点けて揺らす)

こうしてみると、3が一番問題アリだ。親がそんな態度を取り続けたら、将来の偉大なオーディエンスはマナー感覚ゼロに育ってしまう。それとも意外と躾にうるさいロシア人のこと、私の考えは杞憂だろうか。

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21.03.06

アンティークサモワール

サモワールとは、ロシアの伝統的湯沸かし器である。現実にはロシア人でサモワールを持っている人は少ない。で、一度本物をじっくり見てみたかったので、一作年欧米人向けのサモワール鑑賞会に参加してみた。

おじゃましたのは、モスクワ大学近くに住むサモワール鑑定士、セルゲイ・カリニチェフ氏宅。60平米くらいのフラットには所狭しとサモワールが並ぶ。押入れにもバルコニーにもサモワールがあふれる。氏のコレクションは19世紀からソ連時代のものまで。自身のコレクションを展示・即売しているほか、別のところで買ったアンティークサモワールの鑑定もやってくれる。国外持ち出しに鑑定は必須なので、書類を書いてくれる人の情報を得れば心強い。

サモワールの起源はモンゴルという。17世紀ごろロシアに伝わったとされている。もともとは薬草を煎じる道具だったといわれている。モンゴル生まれという性格上、サモワールは可動性にすぐれていた。その後、茶を飲む習慣と共に庶民に広まり、19世紀には、家族の集まる場所には必ずサモワールがあるようになった。新しい家族を持つとき、あるいは何かお祝い事があったとき、サモワールを買ったり贈ったりする習慣もあったらしい。カリニチェフ氏によると、現在廃れてしまった最大の原因は、「湯を沸かすことしか能がない」からだという。

このツアーでは、サモワールのパーツ説明もあったが、写真を撮ることに忙しかった私は、あまりメモをとっていない。”Perhaps have a cup of tea yourself. Samovars are for sale. ”というツアーの触れ込みに大いに期待したが、ついにお湯を沸かす実演はなかった。

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http://www.russiatravel-pdtours.netfirms.com/

Patriarshy Dom Tours:英語でガイドをする旅行社。日替わりのモスクワツアーが行われ、オーダーツアーも可能。

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20.03.06

自家用車

国土の広いロシアで、車はある意味必需品である。特に夏場のダーチャ通いには、本数の少ない郊外電車などで行くより効率的だ。そのせいか、所得のわりに車の所有率はけっこう高い。モスクワで一番よく見かける自家用車は、国産車のジグリやラーダ。garage青空駐車が一般的なモスクワであるが、自分の車の保管に関しては、右の写真のような車庫に入れている。見るからに自家製のトタン製車庫。しかし雪で押しつぶされとか聞いた事がないので、それなりに丈夫なのだろう。cars

ロシア人は日本人のように、自分の車を熱心に洗わない。駐車場に水道はないし、ガソリンスタンドに洗車機があるわけでもない。したがって雪解けシーズンの今頃は、泥だらけの車が(あるいは泥が乾いて「真っ白」になった車が)、泥水を蹴散らしながら疾走しているわけだ。もちろん、ナンバープレートも見えなくなる。あまりの汚さに去年・おとどしは交通警察が「モスクワ市はきれいな車を尊敬します」などと書いた横断幕を掲げたほど。

ちなみに車内を飾るという概念のなかったロシア人だが、お守り代わりに自分の守護聖人のイコンを飾ったり、トラック野郎よろしく派手な電球をつけてる人、日本で見かける竹製数珠球風シートカバーを冬でも使っている人を見かける。ポップデュオ、タトゥーにちなんで「俺たちを追いかけるなよ」と書かれたステッカーを貼っている車も見た。car_at_dacha 一番強烈だったのは、自分でジグリを黒と銀のツートーンに塗り替えていた車。趣味なのかペンキが足りなくなったのか、とにかく色の変わり目が異様だった。DIYがあまりに度を越すと、こういう風になってしまうのだというよい見本であった。

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15.03.06

ルナ劇場(Театр Луны)

モスクワ中心部のダブリニンスカヤ駅(Добрынинская)からトレチャコフスカヤ(Третьяковская)駅方向へ行く途中、風変わりな入り口をもつたたずまいを見せるのがルナ劇場だ。日本でも映画女優として知られているチュルパン・ハマートヴァがかつて在籍していた劇場である。teatr_luna2 今の看板女優はイリーナ・ザイツェヴァであろうか。
ルナ劇場はマヤコフスカヤ駅近くにも別館をもっているので、シーズン中は毎日2本ずつの作品が上演される。
2004年から翌05年にかけてこの劇場で見た演劇は計3本。どれも印象深い作品だった。
「ロミオとジュリエット」(Ромео & Джульетта)は登場人物をすべて男優だけで演じる。病院用ベッドを買い物カートのように使い、舞台をところ狭しと走り回る。イケメンなロミオにごついジュリエットの組み合わせには笑ったが、最後は天井からスプリンクラーで10分以上もの雨を降らせ俳優陣はびちょびちょになりながらの大熱演。なかなか他では見られない演出だった。
続いて観た作品は別館での「隠し事をしているの」(Я...скрываю)。女囚を監督する女監視員が、なぜ彼女らが夫や恋人を殺すに至ったか一人ずつ打ち明けさせるという話。こちらの出演者は全員女優。
teatr_luna 最後に観たのは「診断:エディット・ピアフ」(Диагноз:Эдит Пиаф)だ。フランスの名シャンソン歌手、エディット・ピアフの生涯と彼女の数奇な運命を描いたミュージカル仕立て劇。ナチスの鉤十字、はしごや巨大なボールなど象徴的な大道具にピアフは乗り、揺さぶり、横たわる。登場人物との対話よりモノローグを積み重ねることにより、エディット・ピアフの孤独な人生をシンボル化。ピアフ最愛の恋人、ボクサーのマルセル・セルダンが飛行機事故で死んだことが暗示される場面は感涙ものだった。もう一度観たい演劇のひとつ。

実は、この劇場、本館ではバリアフリー設備も施されていた。驚嘆の一言である。Luna_teatr0073

お役立ち情報:正式名称 Московский театр Луны под руководством Сергея Проханова
本館:Малая Ордынка 31   Tel 953-13-17
別館:Бол.Козихинский пер.,30  Tel 299-44-92

www.lunatheatre.ru

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14.03.06

モスクワのカラス

都会の野鳥御三家はスズメ、ハト、カラスかもしれない。モスクワも例外ではない。しかし、モスクワにいるカラスはカチガラス。真っ黒い日本のカラスのひとまわり小さく、黒と灰色のツートンカラーである。crownest
このカチガラスが、なんと交通量が多いクトゥーゾフスキー大通りの街路樹に巣を作った。ちょうど我が家のベランダの高さにあるため、毎日巣のようすが観察できた。残念ながら、観察途中で帰国になってしまったため、ちゃんと幼鳥が巣立ったかどうかは未確認だが、たくましいモスクワのカチガラスのことだ、たぶん大丈夫だろう。
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08.03.06

3月は女性月間?

babushka 今年も国際女性の日(3月8日)がやってきた。ロシアでは3月8日は一大イベントだ。この日を前に、花屋や菓子屋に男性が行列をつくる。いい年こいたおじさんが、バラの花束もってうろうろする様は微笑ましくもある。

しかし、一方で3月8日が男性にとっての「免罪符」となっていることも否めない。つまり、普段は女性をコケにし、こき使い、酒に浸って家庭を顧みない男性諸君がこの日だけ女性に何がしかプレゼントを贈ったり、家事を肩代わりしたりしてご機嫌をとれば、これまでの愚行が許されるみたいな感覚である。一部の男性は「女には花と甘いものをやっておけばよい」と豪語している人もいるし、この日だけ女性を持ち上げておけば大丈夫との観念も存在する。

それを知ってか、このごろの若いロシア女性は3月8日に何かもらうのは「当然」で、そのほかの記念日にも何かもらうのは必然だと考えている。そのせいか、日本にいるロシア女性は日本の3月が女性のイベント尽くしだと思っている人もあるくらい。いわく、3月3日はひなまつりで「伝統的女性の日」。そして14日は「ホワイト・デー」でこれまた女性の日。3月8日は祝わないよ、と言ってもあまり意に介さず、「じゃあ、8日はロシアの習慣にのっとって、日本男性にも祝ってもらう」。私としては、そういう特別な日だけサービス過剰になるより、通年にわたってチビチビと気を遣ってもらったほうがありがたいのだが。

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02.03.06

ロシア人はなぜ台所が好きか

ロシア人の家庭を訪問すると、初めは居間に案内される。2度、3度と訪問するうち、居間じゃなくて台所で時間を過ごすことが多くなる。お茶を沸かすのだって、台所なら手の届く範囲。おしゃべりしながら食事の準備をすることだってできる。ロシア人家庭を訪問して、台所で過ごすことが多くなったなら、それはもうただのお客ではなくなっている証拠だ。kukhnya2

モスクワの普通のアパートでは、台所は決して広い空間ではない。それなのに、どうしてロシア人は台所が好きなのか? あるロシア人いわく、台所は一番暖かいから、という。確かに火を使うから暖かいには違いない。別のロシア人いわく、台所は家族が一番集まる所だから、とか。なるほど、ロシア人にとって、台所が「お茶の間」にあたるわけだ。私が考察するに、ロシアの台所の場所にあると思う。日本の台所は、水周りを北にかためるという習慣から、だいたい日当たりの悪い所にある。だが、ロシアの台所はたいてい日の当たるところで明るい。もともと日本のように日当たりにこだわらない彼ら。そういう中で、台所は概してよい場所を占めている。人間もネコ同様、居心地のよい場所に居たがる。というわけで、ロシア人にとっての団欒の場は台所なのだ。

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01.03.06

冬よさらば、でも春はまだまだ

2月27日はマースレニッツァ(Масленица)というお祭りだった。ロシアの暦上、この日は毎年移動し、この日を境に冬は終わる。ところが、冬の終了=春の始まりにはならない。マースレニッツァは古代スラブの冬を送り出すお祭りのことで、ロシア正教の復活祭・パスハ(Пасха)にならないと本当の春は来ない。その間いわゆる「精進の週」で、マースレニッツァとは西ヨーロッパでいう謝肉祭にあたる。

この日に食べるのがブリヌィ(Блины)というクレープのような薄いパンケーキ。精進の間はバターや卵を控える。そのために、マースレニッツァにはめいっぱいブリヌィを作って食べてしまおうという、先人の知恵?から編み出された祝祭の食べ物である。毎年、モスクワ中心部ではマースレニッツァのイベントが行われ、伝統的なロシアの祭りを体験することができる。(詳しくは、http://www.maslenitsa.com/ をごらんください)

さて、現代ロシア人は本当に精進をするのだろうか。私の知り合いの一人はまだ30歳そこそこの若さだが、この時期は肉料理を食べないと言っていた。日ごろ脂っぽいものを食べ過ぎているので、この時期お粥(Каша)などを食べるのは健康維持にとてもいいそうだ。また、別の知り合いも食べる量を減らすと言っていた。冬の間に太った分はこの時期落とすそうだ。なるほどマースレニッツァは、来るべき春に向けてダイエット開始の合図でもあったのだ。

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