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24.04.07

エリツィン氏死去

持病の心臓病をだましだまし生き延びてきた、ボリス・エリツィン前大統領が死去した。享年76歳。プーチン氏指名と引き換えに一族の安泰を得て、悠々自適の晩年だったといえる。

彼が大統領として世間を混乱に陥れた98年通貨危機の頃、私はモスクワ生活2年目を送っていた。夏休みの最中、なにかたいへんなことが起こった、というくらいしかわからなかった。

しばらくして、いつも行くマーケットの商品棚がガラガラになりだした。売れ残った商品ばかり並ぶようになった。そのうち塩が棚から消えた。これはえらいことだと思い、日本の実家に塩を送ってくれと懇願。いくら政治や経済の混乱にロシア人が慣れているとはいえ、この経済パニックは確実にロシア人の寿命を縮める結果をもたらした。

一方、日露関係は北方領土問題が解決に向けて動き出し、ある意味蜜月といえる関係だった。路上で警察の職務質問を受けても、日本のパスポートの表紙さえ見せれば、ビザを見せなくてもいいときすらあった。

ノーヴィ・ルースキー(新ロシア人)やマフィアはいても、オルガルヒやシロヴィキがいなかった時代。一部の富裕層を除いては、一般ロシア人もまだ貧しさを共有していた時期でもあった。

大統領が交代し、エネルギー景気のおかげでロシア人の生活は格段に向上した。しかしエリツィン時代とは違って、どことなくとげとげしい空気を感じる今のロシア。「クークリ(Куклы)」のような政治風刺番組もままならない。どちらの時代がいいとか悪いとかいうのではないが、エリツィン時代へのノスタルジーというものが強く感じられてならないのであった。

http://www.interfax.ru/r/B/themearchive/317.html?menu=1&id_issue=11719014

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