寝不足な6月
6月のモスクワは日の出が5時前、日没が午後11時すぎ、というとんでもない日照時間である。それでも白夜のあるサンクトペテルブルグやアルハンゲリスクなどにくらべれば、いちおう日没があるだけいいかもしれない。
夜があるとはいえ、薄暮に毛が生えた程度の暗さ。カーテンを閉めてもなんとなく薄明るい。
ちなみに、ロシアでは日本のようなどっしりとしたカーテンはなく、ぺろぺろの薄い布やレースを下ろしているだけ。遮光カーテンなどという気の利いたものも当時はなかった。
夜が来ないからとうれしくて、だらだら夜更かしを始め、いつしか宵っ張りが習慣になってしまう。
当然寝不足。昼間に猛烈な眠気が来る。しかし、モスクワの6月は、昼間の日光もかなり強烈で、寝させてくれない。太陽の軌道がえらく長くなり、地平線ぎりぎりを這う冬の太陽と正反対だ。
こういう両極端な自然現象が民族性を作るといえばそれまでだが、中庸をよしとする東洋人にはややつらい自然条件である。
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