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01.09.09

ベスラン学校占拠事件発生から5年

また新学期の9月がめぐってきた。
北オセチア共和国ベスラン市の学校で、起こった悲劇から5年がたった。

あのテロ事件以降、しばらくチェチェンがらみのテロは起こっていなかったが、最近人権擁護組織の活動家の暗殺をはじめとして、自爆テロなど再び不穏な雰囲気が立ち込めている。

ところで、日本にいる知り合いからよくたずねら れるのは、なぜ始業式と入学式を兼ねた日にあれほど多くの父兄(しかも乳飲み子まで一緒に)いたのか、という質問だった。私もモスクワに来るまでは、9月1日が子どものいる家庭にとって、とても重要な日だということの認識が浅かった。わが子が晴れて入学する日、担任の先生に花束を渡す日、下級生をつれて学校を案内する日、そして男の子は背伸びをしたような背広を着て、女の子はエプロンドレスに大きなリボンをつけた姿が、父兄にとっては単なる親バカ以上に喜ばしい1日となる。

子どもの教育に熱心な親も多く、一方で教師が父兄に求めるものも多い。概してモンスター・ペアレントという言葉には無縁な国である。もちろん、子どもをヤミ商売に売ってしまうような親もいなくはないが、概して教育やしつけには厳しいといえる。

ベスラン第一中学校も、おそらく教育に熱心な普通の父兄らが詰め掛けたのだろう。乳飲み子まで一緒だったのは、学校が共同社会に根を下ろしている証拠である。また、基本的に治安がそれほどよくない地域に住む親子は、危険に対処する方法も経験から熟知している。武装グループに対する無意味な抵抗や刺激を起こすようなパニックがなかったのは、こうした経験則からきているのではないか。
日本の子どもがこういう事件に遭遇した場合、PTSDにかかる前に統合失調症になるのではないかとも思う。Blossom01

去年の夏までのバブル景気を経て、不況脱出にもがくロシアで、どれだけベスランのことを思い出している人がいるかわからないが、5年という歳月は確実に記憶を薄めている。

Beslan_10_be_view

http://www.eng.kavkaz-uzel.ru/articles/11057

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