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12.12.09

兵役につくということ

Vday1寒さが厳しくなると、休暇で街中を歩くロシア兵の姿が寒々しく感じる。私がモスクワにいたころ、軍隊内でのシゴキやイジメが険悪化した時期で、マイナス30度もあるところで、歩兵が長時間立ったままで放置させられ、彼らのほとんどが肺炎にかかって数人が死亡するという事件が起こった。特に、チェチェンでの「テロ掃討作戦」が行われているころは、「徴兵=前線送り」につながる確率が高く、できるかぎり兵役を先延ばしにしたり逃れたりすることを考えている人が多かった。

ロシアにおける徴兵制は、18-27歳の男性に2年間の兵役を課せられている(と理解されている)。実際は良心的兵役拒否制度があり、場合によっては軍隊ではなく治安警察などに就くなど、選択肢がいくつかあるらしい。

私の知り合いは、一人はムルマンスクでの国境警備、二人は極東での治安部隊を体験していた。そして一人は運よく奨学金を得て国外留学、そしてもう一人は視力が極端に悪く兵役免除、だった。彼らは運よく生きているが、彼らの友人や知り合いには兵役中に障害を負ったり、除隊後に病死したりするものがいたそうだ。

軍隊や治安部隊は国防のみならず、時として自国民にも銃を向けてしまう。そして、兵役についたばかりに自分の一生を棒に振るリスクも相変わらず高い。もっとも、徴兵制がある国に生まれてしまったことが、ロシア人の宿命なのであるけれども。日本には「日本男子にも兵役を課したらよいのでは」という発言をする人もいるが、交戦しないことを前提とした平和ボケ極まりない発言だろう。

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