Posts categorized "俄語のつぶやき"

22.06.11

нашとсвойの語感

モスクワで正式に習ったロシア語のレベルは初級終了くらいまでなので、教科書以上の実践的会話はすべてテレビが先生だった。テレビで聴いて意味がとれたことを実際に使ってみて、場面にぴったりだと内心小躍りして喜んでしまう。逆に場違いで雰囲気が悪くなっても、外国人の間違いだからと大目に見られることが多い。

そんな中で体感した言葉のひとつが、нашとсвойである。

前者は「私たちの」という所有格。後に続く名詞の性・数によって変化する。свойは「自分の」という意味だが、「身内」という語感がある。そのため、ドラマなどの中で「кто там?」(そこにいるのは誰?)とドア向こうの人物に尋ねるとき、「свой」と答えるのは、そういうときだ。

нашは物や人などの所有や帰属を表すが、身内や仲間とかった語感はない。だから、いくら私がロシア人の知り合いから「наш misakk」と呼ばれても、まだまだ「свой」には及ばないのだ。

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26.03.11

カタストロファという言葉

東北から関東を襲った大地震と大津波、加えて原発の事故はロシア人にも大きなショックを与えた。お見舞いのメールや電話をもらったが、皆おしなべてКатастрофа(カタストロファ)と言っていた。

翻訳すると「大惨事」。たとえば、テロが起きて多くの死者が出るような事件もたくさんの車が玉突き衝突してもКатастрофаだ。自然災害と人災による大災害の区別がない。したがって、カタストロファが使われる頻度は非常に多い。

テレビニュースなどを見ていると、単なる事故はавария(アヴァーリヤ)やтравма(トラーヴマ)が使われる。現場が混乱している様子はХаос(ハオス=カオス)と表現されている。

日本語の感覚としても今回の大災害は「崩壊」「壊滅」といった絶望的なニュアンスを表現したКатастрофаが当てはまるように感じた。

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20.09.10

両替

1000 両替をするところはロシア語でобмен  валютыという。どこから持ってくるのかわからないが、すごい札束が机から出てくる。たいてい若い女性かおばさんが座っていて、両替客とは厚い壁やガラスで仕切られており、小さな小窓からやりとりする。こちらが差し出した札束は、高額紙幣の場合偽札でないかチェックされる。それから両替先通過が出てきて、2回ばかり紙幣かぞえ器にバラバラバラとかけられ、こっちにポンと渡される。ときどき私の順番が回ってきたとたん、「技術的休憩」(технический перерыв)が始まり、どんなに行列があっても受付なくなる。

ところで、あるとき急に両替が必要になり、出先で両替所がどこにあるか尋ねた。うっかり「обман валютыはどこですか?」と聞いてしまい相手はあきれ返った。なぜなら、обманは「ごまかす」という意味。悪質な両替所だったら、ニセ札をつかまされることだってあるかもしれない。ちなみにобменは「交換」の意味である。

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27.10.09

耳聞きロシア語

USAを意味するСШАは「エス・シャー・アー」ではなく、「セシャー」。BMWは「ビー・エム・ダブリュー」ではなくて、「ベンヴェー」、CD-RWは「シーディー・アールダブリュー」ではなく、「シーディー・エルヴェー」と発音しないと通じない。

つまり、英語のWhat time is it now? が字面どおり発音してはなかなか通じないように、ロシア語にも字面の読みと違うものが存在する。「W」を「ヴェー」と読むところは、ドイツ語の影響かと思えるが実際のところどうなのだろうか。

ロシア語は子音の連続が多いわりには、母音による音節がはっきりしており、慣れればヒアリングは楽かもしれない。私の場合は、耳覚えのロシア語があまりにも多いために、つづりがわからず苦労しているが。

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22.09.09

電話番号の読み方

Advertisement1 ロシア語でちょっと苦労したのは、電話番号の聞き取りと伝達だった。数字を粒読みでいう日本語や中国語と違い、ロシア語では2ケタまたは3ケタずつ読む。ちなみに123-4567だと、「123」と「45」と「67」と分ける。数字を習い始めのころは、2ケタの数字がうまく言えず口ごもることもたびたび。しかし、そこは外国人という立場に甘えて、ロシア人が粒読みしてもいいよと言ってくれるのに乗じていた。

同じ数字が連続する場合は、ちょっと読み方が特殊。たとえば「00」だと「два ноля」で、「2つのゼロ」という言い方になる。これがわからなかったときは、「2、0」だと勘違いしていた。また、「19」と「90」をときどき混同。今でも電話口で電話番号を確認するときは、最後に粒読みすることを忘れないようにしている。

ところで、電話番号の練習にもってこいなのは、モスクワ市内のいたるところにあるどでかい看板。見た電話番号をそくざにつぶやく。動体視力を養うのにも最適だ。車のナンバープレートで練習してもよい。

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10.08.09

Вакансии(欠員)とロシア人の勤労意識

新聞などの広告やホームページの会社情報には「вакансии」という欄がある。вакансия(ヴァカーンシア)という言葉が原型だが、私は長いこと「vacation」と混同していた。
本当の意味は「空席・欠員」で、欠員による採用情報だ。

ソ連のころは、分配による就職で建前上失業はなかったが、ロシアとなった現在では有力なコネがない限り、大企業や楽な仕事につくのは極めて難しい。
こういう状況は企業に対する帰属意識を希薄にし、チャンスさえあれば転職する「ステップアップ社会」になる。
私の知り合いも「有給休暇中」に、別の会社の面接を受けまくったり、試用期間(ロシアの有給休暇は1ヶ月が保証されている)として雇用されたり、と日本人の感覚からすれば「いいのかね?」と思えることを平気でやっていた。

労働者の国としての80年は、あっという間にアメリカ型の弱肉強食型転職社会になってしまったわけだ。

最近の日本企業もそうだが、採用情報という欄を恒常的に設けている。いつでも誰かがやめて空席があるように感じてしまう。つまり、「あなたがやめても、ほかに応募してくる人はたくさんいる」というシグナルに見えるのだ。

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27.07.09

イヌはいつもメス? СобакаとОна

「Она(彼女)はうちの警備員なんだよ」

家でイヌを飼っているロシア人がそう言ってわがイヌを自慢。目線鋭いオスのシェパードだ。オスなのに「彼女」? なんだか違和感を感じる私だった。

ロシア語の人称代名詞は、普通名詞の性によって使い分けられる。たとえば、本(книга)は「-а」で終わるから女性名詞、「それ」というときの指示代名詞は、「она(彼女)」である。журнал(雑誌)は子音で終わる名詞で「男性名詞」。指示代名詞は「он(彼)」である。кино(映画)は「-о」で終わる中性名詞、「оно」で受ける。無生物の場合こうしたルールはあまり気にならないが、一般生物の場合実際の性と異なるケースは少しとまどう。

たとえば前述のイヌ「Собака(サバーカ)」。「‐а」で終わる女性名詞だ。当然オスイヌも「она(彼女)」となってしまうので、なんとなくそこらにいるイヌはすべてメスという気分になってしまうのだ。

ちなみにネコの場合。котはオスなので「он(彼)」に合致し、кошкаはネコの総称だが、ネコ自体が女性的なので「она(彼女)」で受けてもあまり違和感がない。

言葉に性別がない日本語で思考していると、「ものにはみんな性別のついた名前がある」という思考の言語に対して不可思議さが増すのであった。

ただし、ロシア語の単語で男性・女性・中性形の見分け方は語尾のつづりを見ればわかるので、非常に覚えやすいといえる(Ъで終わるものを除き)。

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05.03.09

Да(ダー)とНет(ニェット)の話

ロシア語で「はい・いいえ」にあたる「ダー(Да)とニェット(Нет)。言いやすさが仇になり、ロシア語以外の言語を話さなければならない場面で、ついつい「ダー、ダー」と言ってしまう。

ついでにもっと口をついて出てしまうのが、「ダ、ニェット(Да, нет)」だ。初めの「ダー(Да)」を短く、軽く言うのがコツ。“はい”と“いいえ”を同時に使うこの表現、場面によっても若干ニュアンスが異なるが、だいたい「そりゃそうだけど」「一応ねー」「ま、そうだね」みたいな意味で使う。あいまい表現の大好きな日本人としては、これほど便利で使いやすいフレーズはない。

ちなみにウクライナ語で「ダー(はい)」にあたるのは「ターク(Так)」。ロシア語で「ターク」というと、「さーて」とか「ほら、こういう具合に」「では」などという意味になる。ウクライナ語で「いいえ」にあたるのは「ニー(Ні)」。英語式に「ハイ」と読んではいけない。

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14.02.09

можноの効用

ロシア語を母語としない者にとって、「можно(モージナ)」という単語ほど便利なものはない。まるでロシア語の中のワイルドカード。尋ねる場合は上がり調子、答える場合は下がり調子でしゃべれば、これ一語でかなりのコミュニケーションが取れる。

研究社のロシア語辞典によると、можноには、①できる、する可能性がある=かもしれない、②してもよい、нeをつけて~しなくてもよい、という可能性と許可の二つの意味が書かれている。

私がよく使っていたシチュエーションは、対面式の店などに行ったときだ。店員を呼ぶのにまず「можно?」。今こっち応対してもらってもいい?くらいのニュアンスである。相手は「можно(いいですよ)」と答える。「これをちょうだい」という意味で「можно?」をまた使う。相手はそれに対して肯定や否定の返事を返すという具合。

ただし相手に向かって具体的に手振りやモノを見せたりする必要があるから、電話では使えない。

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08.01.09

ロシア人はトラウマにかかりやすい?

ロシアのTVニュースをみていると、事故の報道がとても多い。そこでよく「トラヴマチズム」とうい言葉を聞いた。てっきり、事故の惨状からくるPTSDかと思い、ロシア人はトラウマにかかりやすいんだな、と勝手に解釈していた。

ところが後日「травматизм」は外傷であることがわかった(もちろん、トラウマ、心的外傷の意味もある)。露英辞典によると産業による怪我、つまり労災の意味もあるようだ。ロシア語で怪我は「ранение」とか「ушиб」しか知らなかったことで生じた「空耳」である。

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