市民生活

17.10.09

ダストシュート

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モスクワのアパートには、階段の踊り場やエレベータ付近にダストシュートが備え付けられている。形・色・フタの開け方などさまざまだが、上の階から落とされたゴミは下のゴミ収集口まで一直線に落下する。基本的に瓶など割れると危ない物以外、何でもダストシュートに放り込む。ゴミを袋に入れようがゴミ箱から中身だけ捨てようがかまわないし、分別もなし、ゴミ収集の時間も関係なし。日本から来た者にとって、これは便利すぎる。

だが便利な反面、問題も多い。
監視がないので、タバコの吸殻を投げ捨てボヤが出たこともある。ダンボールなど大きいゴミを無理に押し込み、ゴミが下まで行かずに貯まってしまったり、夜中にゴミを捨てる音が配管を伝って響くことも。寒いロシアでゴキブリが元気なのもこのダストシュートのおかげ。

しかし、もっと驚くべきゴミ捨ての習慣がロシア人にはあった。
フラットを出るともうダストシュートなのに、残飯などちょっとしたゴミを便器に捨てる人が多い。さすがに紙ごみは流さないが、油ものなど平気で流してしまうのだ。だから、トイレの排水が壊れることもあるようだが、意に介する人が少ないというのもロシア人のおおらかさだろうか。

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03.10.09

モスクワの花壇

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モスクワ市当局が整備する花壇は、もっぱら市の中心部のみ。時計や行政区のシンボルをかたどったり、記念のマークなどを植物で形成するなど、いろいろ手が込んでいる。

一方、モスクワの一般市民はたいていアパート暮らし。自分の庭など持っていない。ベランダや出窓に所狭しと植木鉢を置くが、それでも飽き足らなくなる人は自分のアパートの出入り口や道路沿いに花壇を作り出し、手入れに余念がない。

人々の目を楽しませた花壇も、雨が雪に変わると、枯れるのを待たずに雪の中にうずもれる。

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05.07.09

値段の変遷

部屋を整理していたら、ロシアのレシートが出てきた。市場ではほとんど発行しないが、主なキオスクやマーケットでは必ずレシートをくれる。もし市場などで領収証が必要なときは、「クヴィタンツィアをくれ」というと、日本でも使われているような罫線の入った領収証をくれる。

ところで、モスクワでは家計簿ではなく「小遣い帳」しかつけていなかったので、きちんとした家計状況は不明。おまけにドル=ルーブルレートによって、「収入」が変わるのできちんとした収支が計算できない。というのは言い訳だが、99年まで黒パン1個が2ルーブルで買えていたのが、2002年からは5ルーブルになっていて驚いた。日本における卵やコメと同じく、ロシアでは黒パンが家計における経済指標なので、パンが値上がりしたというとインフレの象徴のようにに思われる。

たしかに以前は100ルーブルもあれば市場で必要な物資は調達できた。品質や包装に文句を言わなければ、の話だ。2005年の帰国前では、市場でさえも500ルーブルがあっという間に消え、ショッピングセンターに行けば1000ルーブルでも足りないことがあった。こうなると現金ではなくクレジットカードの出番となる。外資系のマーケットは早い段階からクレジットカードが使えたので、現金が不足気味になると外資系スーパーに行くことになった。

オイル景気に湧いたモスクワの生活は、98年当時から想像もできないほど変わった。これからも乱高下しながら変化し続けるのだろうが、一般市民の苦労が終わることはないような気がする。

 

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12.05.09

キオスクの謎

キオスクはれっきとしたロシア語。そしてモスクワのキオスクには、いくつかタイプがある。地下鉄駅のキオスクのように、建物の一部にあり軒を連ねているタイプ。そしてもうひとつが写真のように可動式の独立タイプ。

商品の種類もいろいろだ。食料品、野菜、パンや菓子、新聞雑誌や文具などの雑貨、花、CDやDVD、携帯電話、アクセサリー、あるいは服や下着の専門キオスクまで、規模は小さいが非常に雑多なものを扱う。また、合鍵や靴修理などを扱うキオスク、両替商の入ったキオスク、劇場などのチケットといったサービス関係のキオスクもある。

売り子と店のオーナーの関係ははっきりわからないが、売り子は旧ソ連圏からの出稼ぎ労働者が多い。いつのまにか開店して長時間営業しているので、商品の仕入れルートなどもよくわからない。

ところで、キオスクで何時間も店番をしている人は、トイレ休憩はどこでやっているのか不思議に思う。これまでもさんざん書いてきたとおり、モスクワの公衆トイレ事情は悪く、観光地や繁華街でもない一般住宅街では、簡易トイレの設備もほとんどない。たまにみかける公衆トイレも、ときどき施錠されてしまうのだ。あんな狭くて冷暖房もない場所に長時間勤務するのは、かなり厳しい労働環境といえる。本当に儲かっているのか、疑問に思える商売のやりかただったが、モスクワ中心部では、環境美化の一環でキオスクが多数排除されてしまった。

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05.05.09

効果が疑問視される広告

ときどき変なバーゲンセールや看板を目にするモスクワの店。これまで見た強烈バーゲンは、「скидка 100%(100%割引)」とか写真のようなすべてがタダというもの(写真は床屋の看板で、カットのみならずパーマ等もみんなタダ)。

しかし、ロシア人は「安かろう悪かろう」意識が強いので、こういう人寄せ方法はいかがなものかと思う。実際ロシア人に聞いてみると、「詐欺かもしれないから入らない」という。経費をかけて打った広告も、なんだか形無しである。

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27.04.09

ロシア人の結婚と離婚

世界的な金融危機の波をもろに受けデカップリング論も吹っ飛んで、ロシアでは失業者が急増中。政府への不満も高まっているせいか、当局は失業者がどれくらいに上っているか、数字を公開しないもようだ。

さて、ロシア人は何度も世の中がひっくり返る事態を経験しているので、一度や二度の失業なんぞ、わりとへっちゃらに見える。

しかしそれ以上にへっちゃらなのは、結婚の回数。若くして初婚にいたるので、30代で2回目、40代で3回目なんて人もザラだ。滞在先の関係者で離婚歴がないのはたった一人だったが、その人も「恋人」がいたので離婚も時間の問題だったろう。

日本人から見れば、一目ぼれ度、浮気度はかなり高く、男女の相違はあまりない。ただし、女性の方が家事・育児・自分の仕事と日常の負担が重い分、男性に比べて電光石火な恋愛に走る確率はやや低い(と思う)。

いずれにしても、女性にとって再婚は相手をステップアップで取り替えていくことと同義。自分の人生を改善していくいことと捉え、あまり悪びれはしないらしい。ある日本人の男性は、こうしたロシア人の傾向を見て、「ロシア人って“愛”はあるけど、“情”はないよねえ」と言った。たしかに離婚してもサバサバしている女性が多いのは、こういう傾向の現れかも。とすれば、日本女性もこういう傾向が昨今顕著になっているような気がするのだが。

 

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03.04.09

ロシア人と糖尿病

平均寿命が70歳に届かないロシア人。アルコール中毒や自殺、若年層には事故や殺人などが原因に取りざたされているが、生活習慣病をほったらかしにしたことによるものも多い。

知り合いのロシア人には、本人が循環器疾患に罹っている人、家族に糖尿病(диабет) を患っている人が多かった。特に深刻なのは糖尿病。正式にはСахарный(=砂糖の) диабет (=糖尿病、英語のDiabetes)というように、ロシア人の食生活は砂糖を多食し、油脂も多い。糖尿病と診断されても、食事コントロールや運動療法を行なう人は少ない。

知り合いのロシア人の母親は、糖尿病が急激に悪化し足が壊疽になったが、それでも甘いものを食べることをやめなかったという。黒くなった足の指を切断するのを拒んでいる間に、突然昏睡状態に陥り、亡くなったそうだ。ある意味自業自得のようなところもないわけではないが、ロシアの医療制度を見る限り、きめ細やかな処置や指導は受けられそうにない。

また、脳卒中などを患った人の大半が、リハビリなどがほとんどできず家の中に閉じこもったままになる。高層アパートに住み、冬場は地面が凍って外出できなくなるので、仕方がないと思う半面、こうした疾患に罹った人はわりと早く亡くなってしまうので、病気の重大さがよく理解されていないのかもしれない。

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28.03.09

ロシア人と観葉植物

Room_plants_book ロシア人の家庭を訪問すると、窓辺や出窓に所狭しと植木鉢や空き瓶・食べ物の空き容器を利用した植物を目にする。ロシアの住宅は日当たりを気にしないせいか、物置のような部屋にも植物がある。下町の玄関先にいっぱい鉢植えがあるのを、全部室内に持ってきたようなイメージだ。

ぱっと見では、ほとんど「ほったらかし」に近いような感じで伸び放題。しかし冬場には緑がまったくなくなってしまうので、せめて家の中だけでも観葉植物を置いておきたいのだろう。

ロシアの観葉植物は、日本でポピュラーな洗練された雰囲気の観葉植物ではなく、サンセベリアとかアロエのようなちょっと地味で大ぶりなものが多かったように思う。ただし、ロシアの観葉植物愛好家は、実はいろいろこだわりがあるらしく、育て方や購入法などお茶を飲みながらよく情報交換をしていた。今ごろの時期は一番日当たりのよい部屋で、ダーチャの植え付けに使う野菜の苗を育てている。

私が住んでいたフラットでは、前の居住者がクンシランのような花を咲かせる鉢植えをいっぱい残して行った。ろくに肥料もやらないにもかかわらず、何年も植え替えないので根っこが植木鉢からはみ出していた。それでも毎年花をつけていたのには、頭が下がる思いであった。

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11.03.09

ロシア人と洗車

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雪解け時期のモスクワの道ほどひどいものはない。歩行者にとっては、歩道と車道の間が特に要注意で、深さの読みを間違えるとくるぶしまで泥水につかる羽目になる。おまけに歩行者に配慮のない車が、遠慮なく泥水を跳ね上げながら疾走。歩行者は二重の被害を食らう。
実は車も同様に受難だ。とにかくひどく汚れる。泥水だけでなく、スタッドレスタイヤがまきおこす粉塵がフロントガラスにこびりついたり傷をつけたりして、視界も最悪だ。

以前は車が汚くなっても気にするロシア人は少なかったが、モスクワ市当局が「ナンバープレートが汚れている車」を取り締まり始めたので、出かける前にナンバープレートだけ清掃する習慣ができた。その後の好景気でメルセデスなど外国車を手にするロシア人が増えるにつれ、「洗車していつもピカピカ」「きれいな車はリッチな証拠」という意識も浸透。自宅で洗車する人も多いが、本格的にきれいにするため洗車ビジネスを利用する人も増加。
ロシア語で洗車サービスをするところを、мойка автомобилей 、または略してавтомойкаという。日本のようにガソリンスタンドが兼ねることは少ない(ガソリンスタンドは概ねセルフ方式)。洗車専門のスペースだったり、車のメンテナンスやタイヤの調整などを行なうところが付帯サービスとしてやっているところが多い。しかし、日本人のように自家用車命なロシア人はまだ少数。たいていは運送手段としての割り切りをもって車を所有している。

http://moyka-auto.ru/

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22.02.09

ロシア人の名前のバリエーション

今年入手した日めくりカレンダーには「名前の日」が記入されていた。そういえば、ロシア人の名前は、日本人に比べてそのバリエーションが少ない。姓の種類が多いのと対照的である。

花子・太郎に相当する「イヴァン」(英語圏のジョンに相当)「マリーヤ」(英語圏のメリーに相当)、時代を感じさせる「ニコライ」「ミハイル」「ピョートル」「ニーナ」「リュドミラ」「アンナ」「タマーラ」は最近ほとんど見かけない名前となった。代わって増えてきたのがヨーロッパ風の名前。「デニス」「アントン」「ダニーラ」「キーラ」「ポリーナ」など英語圏でも使えそうな名前だ。それでも多いのは「アレクサンドル」「イーゴリ」「セルゲイ」「ドミトリー」「スヴェトラーナ」「エレーナ」「イリーナ」「タチヤナ」などだ。祖父・祖母や父母と同名のつける習慣も根強い。たとえば、プーチン首相は「ウラジーミル・ウラジーミロヴィッチ・プーチン」と父称から彼の名前は父と同じ「ウラジーミル」だとわかる。

名前自体のバリエーションは少なくても、呼称のバリエーションは想像以上に多い。「アレクサンドル」は「サーシャ」「シューラ」、「ウラジーミル」は「ヴォーヴァ」、「アンナ」は「アーニャ」「アンヌシカ」、「エカテリーナ」は「カーチャ」などと形を変える。「ドミトリー」は普通「ジーマ」だが、知り合いは「ジム」と呼ばれていて、かなりびっくりした。

もとは男性の名前を女性形に変えることで、両性に使う名前もある。「ヴィクトル」「ヴィクトリア」、「ヴァレンチン」「ヴァレンチーナ」、「エフゲーニー」「エフゲーニヤ」などだ。もっといろいろな名前のバリエーションを知りたい人は、ロシア人の国際結婚紹介サイトなどを見ると傾向がわかる。

さて、ロシア文学などを読んでいると「名前の日」という習慣が出てくる。自分の名前が聖人に由来する場合、その記念日を祝うという風習だが、私の周りにそのようなお祝いをやっている人はいなかった。でもカレンダーに記載されているところを見ると、日Karendari本の六曜のように、今も気にしている人がいることの表れだろう。
また、日本の姓名判断に相当する占い本も多く出版されており、名前が現す体と運命について事細かに解説してある。ただしロシア文字に画数はないので、代わりにカバラの数字を関係づけて運命をみたりする。

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