「モスクワ・ワンダーランド」といわれる理由の一つに、モスクワじゅうに多くのの美術館・博物館が点在していることが挙げられよう。国宝級からオタク的コレクションまで、その多彩さには目を見張る。今回から数回連続でお伝えする。
1.トレチャコフ美術館 (Государственная Третьяковская галерея)
なにはともあれ、トレチャコフ。1856年設立の10万点におよぶコレクションを持つ美術館だ。そのラインナップは11世紀から現代のアヴァンギャルド美術まで多岐にわたる。私の愛するアンドレイ・ルブリョフのイコンはここに所蔵されている。地下鉄トレチャコフスカヤとノヴォクズネツカヤに近く非常に便利。周辺も古い建物が多く残っており、散策するには絶好の場所。Лаврушинский пер. 12
http://www.tretyakov.ru/
一方、別館はゴーリキー公園の向かいにあり、こちらも常時面白い展覧会がいくつも催されている。Крымский вал, 10/14
2.プーシキン美術館 (Государственный музей изобразительных искусств им. Пушкина)
1898年、モスクワ大学の教授、ツヴェターエフによって設立され、1912年オープンした。コレクションは、ビザンチンやイタリアのイコンをはじめ、ルネッサンス期やエジプト文明の文物も有する壮大なもの。もちろん、絵画の方も充実しており、20世紀初頭に活躍したマチス、ルソー、ゴーギャンの名画も所蔵している。近年、日本にもコレクションが初来日して話題を呼んだ。Ул.Волхонка 12
http://www.museum.ru/gmii/
プーシキン美術館の隣にあるプライベートコレクション美術館も見逃せない。
3.東洋美術館 (Государственный музей Востока)
一番ひんぱんに通った美術館のひとつ。立地の便利さもさることながら、ロシアにいて東洋の芸術に触れ合える場所はここしかない。常設展は民族博物館的要素もあるが、学芸員の確かな知識に裏打ちされているので、単にエキゾチズムを追求するだけに終わらない美術館である。インドやトルコの美術展覧会、日本の匠を招いてのイベントはとても質の高いものだった。2005年の時点で、トイレを改修中。 Никитский бульвар 12а
4.現代美術館 (Музей современного искусства)
1999年設立と新しく、デートの場所としてもふさわしいコンパクトでおしゃれな現代美術館。ブラート・オグジャワのちょっと怖いレリーフがお出迎えしてくれる。パステルナーク、ツヴェターエワのレリーフもあり、新生ロシアを象徴する作品に多く出会える。 Ул.Петровка 25
http://www.mmoma.ru/
5.シューセフ名称建築博物館 (Музей архитектуры им.А.В.Щусева)
モスクワにあって、建築物は芸術品。各時代にさまざまなスタイルが一世を風靡し、名建築家と呼ばれる人たちが美意識と工夫を競った。建築に関心がある人は是非。クレムリンも近いし、見た後にモスクワ建築物めぐりをすれば実習にもなる。Ул.Воздвиженка 5/25
http://www.muar.ru/
6.ヴァジム・シードル美術館 (Музей Вадима Сидура)
日本人にとってマイナーな彫刻家、シードルの個人美術館。場所も東のはずれにあり、少し辺鄙。アフガニスタン戦死兵の碑や人間の清濁を表現したアヴァンギャルド彫刻が有名。日本の版画家、浜田知明に作風が似ている。最寄地下鉄駅はペーロヴォ。 Ул.Новогиреевская 37
http://www.sidur.ru/Sidur.html
7.シーロフ絵画美術館 (Картинная галерея А. Шилова)
いつの間にかリッチな感じの美術館になってしまった。帝政ロシアの雰囲気が堪能できる。肖像画の好きな人にはたまらない美術館である。 Ул.Знаменка 5
http://vmoskvy.ru/city/Museums/index.html?id=13
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