中国人在莫斯科

08/09/2009

新しいチェルキーゾフスキー市場開場?(続報)

ロシア最大のチェルキーゾフスキーが閉鎖され、行き場に困った商品と決済不能となったビジネスマンたちは、当局との軋轢を生んだ。ところが、ロシアのメディア「Ведомости」によると、モスクワ郊外のバラシハ(Балашиха)に閉鎖されたチェルキーゾフスキー市場に代わる新しい市場を作る計画が盛り上がっているらしい。

すでに200あまりのパビリオンが出店待ち、「グレーでない、きちんとした商品」を売ることをモットーに掲げている。その一方、いわゆる出稼ぎ労働者である中国人とベトナム人への締め付けは強化されている。

http://www.vedomosti.ru/newspaper/article.shtml?2009/08/06/208579

一方、中国のメディアで下記のようなニュースをみつけた。

一名俄罗斯警察涉嫌抢劫华商千万卢布被扣押 发表时间:2009-08-07 07:57 来源:中国新闻网

ロシアの交通警官が、中国人商人に対して1000万ルーブルに相当する米ドルを恐喝して逆に検挙されたという話だ。同様な恐喝ケースはあいついでおり、数名の中国人商人らが違法性と人権侵害にあたるとして、検察局に検挙を呼びかけた。

しかし多くの商人は泣き寝入り。ひとたび警官を検挙すれば、自分たちの商品は一晩のうちになくなってしまい、一部は市場保安管理所に、もう一部は警察に取られてどこにあるのかわからなくなる。嫌がらせと権力乱用のいたちごっこともいえる。

チェルキーゾフスキー市場はたしかに正当な通関商品ばかりではなく、グレーなものから闇なものまで扱われていた。今回目をつけられたのはその部分だが、警察権力というハゲタカは、狙った獲物の骨までしゃぶるということだろうか。



 

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07/31/2009

チェルキーゾフスキー市場の閉鎖は政治問題?

モスクワ最大のお土産市場「ヴェルニサージュ」に隣接する巨大市場、「チェルキーゾフスキー」がついに閉鎖された。完全閉鎖の発端は、チェルキーゾフスキーで巨万の富を得たトルコの富豪が豪華ホテルでリチャード・ギアらをゲストに開業記者会見を行い、その後のパーティでドルをばらまいたことだという。これがプーチン首相の怒りを買った。

ロシア側から見て、チェルキーゾフスキー市場の商品はすべて「密輸品」であり、ロシア政府に税金も払われておらず、不法入国者・不法滞在者の温床になっているため「浄化」が必要とされたようだ。閉鎖の別の発端は、チェルキーゾフスキー市場で大量の「不合格」商品が横領されたことが発覚、その商品の大半が中国製品であったことである。

一方中国側は、突然の市場閉鎖はロシアの深刻な経済低迷があるとしている。プーチン首相やルシコフ・モスクワ市長らがチェルキーゾフスキーを標的とし、「浄化」作戦を実行、ロシアが中国製品を「排斥」する口実としていると分析している。

コレに対し、在ロシア中国大使館の経済商務参事官は、ロシアの制裁に断固反対しているもよう。

チェルキーゾフスキーで働いていた労働者約1万人は、大半が労働許可証を持たず、これまでに3度にわたって身柄を拘束される「不法滞在者狩り」が行われている。身柄を拘束されているのは、中国人、ベトナム人、タジク人などで、すでに強制送還も実行されている。また、チェルキーゾフスキー市場に貯蔵してあった商品は、ロシア警察に押収=私有化されるのではないかと危惧されている。

http://www.rb.ru/topstory/economics/2009/07/16/084956.html

http://www.vedomosti.ru/newspaper/article.shtml?2009/07/30/207569

http://zzwb.zynews.com/html/2009-07/10/content_97056.htm

http://epaper.syd.com.cn/sywb/html/2009-07/22/content_478989.htm

http://club.xilu.com/junshi7766/msgview-975644-78275.html

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03/19/2009

中国人向けロシア語教材

ふつう、ロシアで外国人向けに使われる教材は、ロシア語のみ、もしくは英語が仲立ちとなるものだった。ところが、中国人留学生の増加に対して、中国人向けの教材も出版されていた。発行元は、東洋学術方面を得意とするムラヴェイだ。

「相聚在莫大」は「モスクワ大学に集う」というタイトルのロシア語教科書。文字の解説などは省かれているので、入門以上が対象と思われる。力点がつけれられていないテキストは、「ロシア語で話しましょう」などのテキストを使ってきた入門者にはかなり難しく感じるだろう。中学・高校の教科書のような体裁。文法や構文もよくまとめられており、中国語(中級以上者)も一緒に学びたい人には一石二鳥か?

Textbook

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10/17/2008

中国語の新聞

中国人がコミュニティを形成するとほどなく発行されるのが“中国語新聞”である。モスクワの中国人社会では、主に5~6種類の中国語新聞が流通している。夕刊のみ発行する「晩報」も含めると8~9種類になるだろう。主に中国人が多く行き交う地域で入手することもできるが、紙面広告によると販売員が配達してくれるサービスもあるようだ。いずれにせよ、1部10-20ルーブルから入手できる(2005年当時)。

新聞とはいえ、体裁は中綴じの雑誌と同じ。1部が70ページくらいある。

内容は、中国国内のニュース、ロシア国内のニュース、国際ニュース、スポーツ・芸能、特集記事(政治経済から軍事まで多彩)、娯楽・ゴシップ記事(グロテスクな見世物記事が多い)、家庭、美容や健康、クロスワード、小説(歴史小説からポルノまで)、そして大量の広告から構成されている。
記事の大半は中国国内で発行されている新聞からの転載である。

読んでおもしろく実用的なのが、いかにロシア社会でうまくやっていくかという「在ロシア中国人移民指南」記事と広告だ。中国人がどれだけロシアに根付いているかがよくわかる。中国人はたとえ外国に住んでいても、現地のサービスより中国人のサービスの方を好むようだ。そのため中国人同士で需要が発生する職種がどんどんロシアに入国していくことになる。

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08/27/2008

ロシアにおける中国学

モスクワにいる間、研究室を訪ねてみたいと思った学者がいる。歴史学者ヴィーリャ・ゲリブラス博士だ。中国とロシアの経済・社会・政治問題を中心に 研究している。中国では北京大学や人民大学で教え、1992年からアジア・アフリカ研究所で、2000年より国際関係研究所で教鞭をとる。また、欧州中国 学協会の会員でもある。Authour

氏の本はこれまで二冊入手しているが(『ロシアにおける中国の現実』『グローバル化のロシアと中国人移民』 いずれもМуравей刊)、丹念なデータの読み込みと中国人コミュニティで発行される中国語メディアの数々を詳細に分析している点が秀逸。従来の紋切り型チャイナ・スタディとは一味違うところだ。

モスクワだけでなく、全ロシアにいる中国人の分布や国境を越えてくるルート、動機、そしてそこで形成されるコミュニティについて、中国当局でさえも客観的に把握していないような情勢が報告されている。

 

 

ロシアにおける中国人とは、溶け合わない異物のようなものであると同時に、必要不可欠な3K労働力であり、なにより国家が戦略的パートナーシップを 結ぶ国の民である。中国人の方から見れば、ロシアもビジネス相手国のひとつとしか見ていないようだが、ロシアの立場からすれば、中国人のたくましさは脅威 に映るに違いない。

 

いずれにせよ、外国人排斥に動くロシアによる在ロシア中国人への対応は、こうした民族社会学を利用していくことになるだろう。

 

 

ゲリブラス博士のほかに、ラーリン博士、ヴァスクレセンスキー博士といった研究者が、歴史学という立場からそれぞれ現代中国情勢を論じている。

 


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07/08/2008

中国からの物流

昨年夏、モスクワのチェルキーゾフスキー市場を訪れたとき、倉庫の空きが目立っていた。セクターによっては閑散としており、市場入口の喧騒から取り残されたようである。この市場が近く閉鎖されるせいかもしれない。

中国人の物流は変化した。以前は、「担ぎ屋」が自分の身の丈の何倍もの商品を持ち込んでいた。彼らは何度も中国とロシアを往復するため、学生の身分を使って寮などに住んでいた。多くの商品をストックさせるため、自分の寝る場所さえも倉庫として使っていたほどだ。

現在は、物流やロジテック専門業者も出現し、シベリア鉄道を使って大量の商品を運送している。モスクワ郊外には、中国人物流業者が倉庫を兼ねた物流センターをつくり、これまでアゼルバイジャン人やグルジア人がやってきたマフィア物流とは異なるシステムを作り出している。そのシステムのどこまでが合法で、どこからが違法のままやられているのか判然としない。しかし、ロシア人の旺盛な消費欲を満たしているものの多くは中国製品であることに変わりはない。

Sklad

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06/12/2008

モスクワ中国市場における「食の安全」

足しげく通ったチェルキーゾフスキーの中国人市場。何度か粗悪品をつかまされたことがある。たとえば、中国東北地方で加工・袋詰めされたと思われる緑豆。家で煮る前に洗ってみたら、なんと小石がたくさん混じっていた。ザーサイの缶詰がさびていたり、真空パックの包装に空気が入っていたなどにも遭遇したこともある。中国からシベリア鉄道で運ばれてきたこれらの食材。きっと通関などでは品質に関する検査は受けていないだろう。冷蔵庫に入れて保管すべき加工食品が、外におきっぱなしということも頻繁に目にした。

加工食品に一種疑いを抱きつつも、アジア的な食材ほしさに通ったわけだが、当時は食の安全などあまり気にしなかった。ただ、食肉や川魚のいけすには手を出さず、生鮮食品で購入していたのはニラやターツァイなどの野菜と豆腐だけ。でも今考えてみると、加工食品は相当危なかったに違いない。

知り合いの中国人は生きたコイとカモを購入し、自分でさばいて料理したことを私に話してくれた。調理する直前まで生きていたわけだから、抜群に新鮮だったのはまちがいない。

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01/13/2008

中国語ブーム

Textbooks 10年前までは、本屋で一番品揃えの多い「アジア語学」の学習書は、日本語だった。ところが今は様変わり。

もちろん、アニメや日本食は大人気である。フランスのアニメおたくのように、日本語を漫画で学ぶ若者も多い。

だがアジアの言葉で一番学ばれているのは、中国語。ここ数年、中国語関係の教材が驚くほど増えた。Text1 入門書だけではなく、上級者を対象としたビジネス中国語の本も多数出版されている。中国語のTOFELともいえる「漢語水平考試」も始まり、参考書、問題集などが常備されている。おかげで日本語コーナーは隅に追いやられるか、中国語関係の本に席巻されているのが現状だ。

Text2 たしかにロシアと中国は現政権になってから蜜月状態。軍事・外交の戦略的パートナーとしてお互い自覚している。しかし、現実のロシア人社会を見ると、政治世界とは様子が違う。

大量の出稼ぎ者、地場産業を衰退させる激安商品、そしてロシア人社会とは隔絶した「中国人コミュニティ」の出現、こうした動きがロシア人の対中国人感情をまだまだ容易に軟化させない。

中国語が注目されるのは、経済的意味が大きいため。Text3 漢字圏でない国の人が中国語をマスターすることは、それだけ大きな努力を要するが、いったん習得してしまえば強力なスキルとなる。なんだかんだいっても、中国市場は大きな魅力。石油の顧客である中国をみすみす逃すわけにはいかない。

ただしこうした語学学習は、政治経済だけを念頭においたもので、中国文化を学ぶのとはわけがちがう。せっかく中国語を勉強しても、モスクワにいる中国人とは交流せず、ビジネスだけの手段となってしまうのは、なんとももったいない話だ。

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11/23/2007

モスクワの中国人(最新記事)

ニフティのメインページにあったニュースより。
ロシアでは、今や日本語より中国語の方が人気。理由はビジネス目的である。しかし、現実には、ロシア人の中国人に対する感情というものはよろしくない。それは政治的というより、中国人の習慣などに対する蔑視のようなものだ。以下、ニュース記事を転載。
ロシアで中国人襲撃事件が多発、大使館が注意を呼びかけ―中国(Record China)
2007年11月21日、中国新聞網が伝えたところによると、駐ロシア中国大使館ウェブサイトのニュースによれば、ロシアで中国人が襲われる事件が多発しているそうだ。

つい先日、11月18日にもある中国人が市場付近で黒ずくめの集団から暴行されるという事件が起きたばかり。この問題について、中国大使館はロシア政府に対して事件の早急な解決と対応を求めている。

年末年始は、ビジネスマンにとって重要なビジネスチャンスとなるが、こうした事件が頻発しやすく治安悪化の目立つ時期でもある。中国大使館はロシアを訪れる中国人に向けて注意を呼びかけているそうだ。(翻訳・編集/岡田)

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11/01/2007

中国人の書いたロシア紹介本

Nihao_eluosi

東洋関係の本を多く出版・販売しているМуравей(ムラヴェイ、蟻の意)。編集部直販店に行けば、市価の2割~3割引きで購入できる。もともともはサヴィーロフスカヤ駅の近くにあった直販店は、2004年ごろ北のアルトゥフェーヴォ駅方面に移転してしまった。

そのためちょくちょく通えなくなってしまったのだが、たまに行くと掘り出し物に遭遇できる。

1995年からクラスノヤルスクで2年暮らした中国人女性、ツァオ・イーホンが書いたエッセー集「你好 俄羅斯」(ニーハオ・ロシア)は、ロシアでの旅の見聞からビジネス体験まで多岐にわたる内容。特に「中国人から見たロシア人気質」「ロシア人の中国人観」などは、文化比較の面からも面白い。恐ろしいロシアの警官、ロシアでの食材調達など、私と共通の視点もある。そして心に残る日本の友人タケシとの交流記。

全文中国語で書かれているため、中国語を勉強しているロシア人しか読めないのが難点だが、逆に私はこの本を数冊買って、日本にいる中国人の友人にプレゼントした。

《Здравствуй, Россия!》

Цао Ихум 2003

Издательство ТОРУС ПРЕСС

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07/15/2007

中国人市場

閉鎖されることが決定したチェルキーゾフスキー市場。中国人が一画を占めたイズマイロヴォ側では、ロシア人客向けの衣料品や中国人向けの生活商品が山積みされていた。

あからさまに撮影すると、税務警察とまちがわれるかもしれないので隠し撮りである。生きたまま売られているカモやコイがいたが、「いけす」が下の方にあり暗くて写らない。

現地発行の中国語新聞によると、この地区一帯には商品の小売のほか、貸し倉庫・地下銀行・鉄道運送業者・債権取立て業者・ヤミ産婦人科・レンタルビデオ屋・中国語で表示する携帯電話を売る店・中国人向け歓楽娯楽施設などが混在している。もちろん看板などないので、どこが何をやっているところかわからない。

担ぎ屋で一儲けしたあとは、中国人店員のいるカジノで一攫千金を狙う。客だと思っていた中国人が、すっと八百屋の奥に入っていくところを見ると、そこが地下銀行の窓口になっているのだろう。

まさにモスクワのチャイナタウンと呼ぶにふさわしく、中国人が外国生活を送るにあたって必要なものを自給できるシステムが作られている。中国人が多く住んでいる学生寮よりも、旺盛なたくましさを感じる。

外国人を追い出そうと懸命なロシア政府当局と3Kを厭わない労働者が必要なひずんだ産業構造が中国人社会拡大に拍車をかけてきた。

中国政府にとっても、地方都市に余剰している労働力と中国製品は主要輸出品目だ。ロシアが外国人労働者を嫌がっても、簡単に規制することはないだろう。公式には姿を消す予定のモスクワチャイナタウン。だが、中国人はそう簡単にロシアを去りはしないはずだ。

Dscf0023

→”さらば、モスクワ”。 モスクワから撤退を余儀なくされた中国人市場と外国人労働者締め出しを報じた中国語紙(日本版)。

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04/21/2007

中国語のモスクワ地図

Dscf0006 今年4月1日から、外国人による商売が大幅に規制されることになった。多くの外国人出稼ぎ労働者がモスクワでの就労をあきらめ、国へ帰ったり別の所へ移動している。

1990年代後半から続々流入を始めた中国人労働者やビジネスマン。彼らを対象とした中国語版モスクワ市外地図もそのころから作られ始めた。基本的には漢字による「音訳」だが、たまには「プロスペクト・ミーラ(Проспект мира)」は「和平大街」のような「意味訳」もある。Dscf0007 一般に、中国語による外来語表記は新華社の表記が基準となっているが、知られていない名称については個々人が適当に漢字を当てることになる。そのため、出版物によってまったく違う表記のこともある。

        →アルバート通り(Ул.Старый Арбат)の部分

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11/29/2006

中国按摩&漢方薬

Kanti0143 エステをはじめ、美と健康に関心を注ぎ始めたロシア。リフレクソロジーの流行も時間の問題と思っていたら、ついに登場中国按摩の店。

地下鉄ノボスロヴォッツカヤ駅にある中国資本のウニベルマーグ、「ドゥルージバ (дружба)」内。その名も「康体」という。一応、施術者は中国按摩の有資格者だそうだが、なぜか出入りする兄ちゃんたちが怪しげだったので、私は按摩を受けずに退散。

同じく「ドゥルージバ」には漢方薬局もある。こちらは北京中医学院の処方箋も受け付けてくれる、わりとちゃんとした漢方薬局。葛根湯や朝鮮人参をベースとした風邪薬はここで購入した。ただし日本では発売禁止となったやせ薬もそのまま売っているので、要注意かもしれない。

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06/07/2006

中国人市場で買う野菜

夏になるとどうしてもアジア的な野菜が食べたくなる。近所の市場やマーケットにはほうれん草や白菜(китайская капуста=ズバリ、中国キャベツJiucai )、香菜は手に入るが、ニラはどうしても入手できない。

そんなときに出かけていくのが中国人市場だ。モスクワに出稼ぎに来た中国人が、半ば農民となって郊外で栽培している。日本のニラに比べて、葉の幅は半分くらい。非常に細くて浅葱のよう。寒冷な土地のため、8月以降はどんどん葉が細くなり、9月末には市場から姿を消す。

ニラのほか、中国人市場にはターサイや空心菜も売っている。これらもすべて、中国人労働者がモスクワ郊外のどこかで栽培したものだ。

ところが、モスクワの中華レストランでニラやターサイが使われている料理に出くわしたことはない。ロシア人の口には合わないのだろうか。それともレストランに供給できるほど、安定収穫が期待できないから? 一番気になるのは、その栽培場所だ。

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05/26/2006

モスクワの中国人 その1

モスクワにキタイ・ゴーラッド(Китай город  意味:中国街)という地下鉄駅があるが、中華街でないことは有名だ。しかし、現実に中国人が多く住むコミュニティはすでに形成されて久しい。

1990年代、モスクワに住む中国人は大使館・マスコミ関係・留学生を除くと、革製品や衣類を中国から運ぶ「担ぎ屋」が主流だった。彼らは倉庫のようなタコ部屋で共同生活。運んできた商品に埋もれるようにして暮らしていた。当時、中国人アパートはストゥデンチェキスカヤ、ソーカル、バイコフスカヤ駅周辺にStudencheskaya_street_1 多く、表向き「学生寮」となっていた。

2000年に以降、モスクワにやってくる中国人は急増。担ぎ屋だけではなく、縫製工場の労働者、農場労働者、建築現場労働者をはじめ、中露間の運送を一手に担う運送集団も多く流入。イズマイロフスキーのおみやげ市場の先にあるチェルキーゾフスキー市場では、中国人卸売り業者が台頭、中国人の経営者が他民族(ベトナム人など)を雇うまでになった。同胞相手の商売も繁盛し、中国人の集団は実質上「チャイナタウン」といえるほどに成長した。

現在、中国人が多く住む地域はミール大通り沿線、イズマイロフスキー周辺で、現にコスモスホテル(映画「ディ・ウォッチ」の舞台となっている)やホテル・イズマイロヴォでは、中国人オーナーが何フロアか借り切って営業。中国人オーナーのカジノもある。

ちょうどSARSが流行した頃、中国人が多く住むこれらの地域は、ロシアDormitry 人の畏怖の対象となった。多くの中国人がいわれのない差別を受けたというのは言うまでもない。

近年、中国卸売りセンターは安い不動産物件を求めて、モスクワ郊外へと移動している。モスクワのチャイナ・パワーは計り知れないものがある。

Tiankeleng 左:新アルバート通りにあった中国系マーケット「天閣隆」。中国製品や食品を安く提供、本格北京ダックを食べられるレストランも併設していたが、SARS騒ぎのあと店じまいした。中国からの物資輸送が困難になったためと思われる。

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01/29/2006

Китайский новый год

今日は春節。中国人社会での旧正月である。と同時に、韓国や東南アジア諸国の正月でもある。最近、新奇を好むロシア人向けに「中国風正月パーティを予約受付します」という広告を出す中華レストランも増えてきた。ロシア人にとっては、単に酒を飲む格好のチャンスでしかないと思うのだが・・・。

さて、モスクワにいる中国人は春節をどうすごすのか。一時帰国が一般的と思うが、仕事柄(または、手続き上問題があり帰れないなど)でロシアで正月を迎える人も多い。いくつかの中国語新聞から分析すると、彼らの春節のすごし方は大別して、①中国大使館招待の春節パーティ、②留学生同士の春節パーティ、③出稼ぎビジネスマンの春節パーティ、④出稼ぎ中国人の春節パーティ、である。

①は主に大使館関係者や内外の軍人・政治家・著名人などが集まる、公式にしてハイソなパーティ。②は帰国しない学生らが彼らの寮でやる餃子宴会パーティ。③はここ数年増えてきたパターンで、中国人経営のレストランやホテルを借り切って行われるもの。「新年晩会」と呼ばれている。一人1500ルーブルくらいの予算でボリュームある円卓メニュー、カラオケや社交ダンスが定番余興。中国の衛星テレビから放送される「中国版紅白歌合戦」の鑑賞などもある。④は想像の粋でしかないが、オーバーステイもしくは偽登録の出稼ぎの人が、タコ部屋のような「寮」で過ごす低予算正月。中国系ベトナム人も含まれる。彼らのような人たちは、たとえ正月でも働いている人が多いだろう。

それぞれの旧正月とはいえ、家族団欒を第一とする中国人にとって、「異国他郷」ですごす旧正月はこの上もなくわびしいものと思われる。

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