交通機関

22.12.09

シェレメチェヴォ2への道のり

まだドモジェドヴォに日本行きの国際路線がなかった頃、一般外国人は何がなんでもシェレメチェヴォ2を利用するしかなかった。20世紀の終わりごろは、シェレメチェヴォ2へ行くときは、トヴェルスカヤ通りからレニングラード大通りをひたすらまっすく行くルートを使っていた。ところが、地下鉄ジナモあたりで渋滞が起こるようになり、クトゥーゾフスキー大通りからルブリョンスキー街道・MKAD経由でヒムキへ抜けるルートを使うようになった。

ところが、ヒムキあたりに大型商業施設ができるようになると、あの広い幹線道路がまたたくまに常時渋滞エリアに変化。シェレメチェヴォへ行くには、所要時間を2倍に見ておかなくてはならなくなった。

一度、路線バスと地下鉄を乗り継いで空港から市内へ出たことがある。シェレメチェヴォ2から1へ回り、レチノイ・ヴァグザールへ。その間、いくつバス停があったか覚えていない。しかし、タクシーだと1000ルーブルは取られてしまうところをわずか10ルーブルそこらで行けたので、ヒマと体力がある人はこのルートは捨てがたい。もちろん、やや余裕がある場合は、乗り合いバスの「マルシュルートカ」を利用するのもいいだろうが、あの運転の粗さは体力と度胸がないと耐えられまい。
Aeroexpress01
昨今はアエロスターなる鉄道ができて渋滞知らずとか。乗ってみたいと思っているが、モスクワへ行くチャンスが訪れなくて残念だ。Aeroexpress02

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15.12.09

バス・トラム・トロリーバスの車掌の話

モスクワの公共交通機関で、制服を着ているのは地下鉄職員くらいだろうか。バスもトラムもトロリーバスも、運転手から車掌にいたるまで私服だ。かろうじて運転手だけが山吹色のベストのようなものを着ているが。

このうち一番やっかいなのは車掌。ロシア語で「コンドークトル(кондуктор)」と言う。彼らは乗客とまったく変わらぬ服装で適当なバス停から乗り込んできて、印籠よろしく身分証を見せながら乗客たちがきちんと乗車券を持っているかチェックする。もちろん、運転手のところで乗車券を買う時間がなかった乗客は、コンドークトルから乗車券を買うこともできる。

今は前乗り後ろ降りで、事前に磁気カードを読ませたり定期券を見せたりするが、以前は乗るのも降りるのも自由で、しかもタロンという乗車券を自分でパンチする「自己申告型」乗降方法だった。さらに、私がモスクワにいたころのバス代は1回2~5ルーブル(途中何度か値上がりした)でどこまで行っても統一料金。乗降客の有無にかかわらず、すべてのバス停に停車するので、ちょっとの距離でもただ乗りできてしまうのだった。

そういうただ乗り客を見つけて罰金「シュトラフ(штраф)」を取り立てるのが前述の「コンドークトル」の大きな役目だ。まず乗車券を持たなかったり、不正にタロンを使っていたり(2回使いなど)している客がみつかると、ただちに次のバス停で降ろされる。降りたバス停で罰金を徴収されるわけだが、降ろされた乗客もなかなかしたたかで簡単に罰金を払おうとしない。ちなみに私がいたころの罰金は100ルーブルだった。帰国するころは1000ルーブルくらいまで吊り上げられたようだが、コンドークトルが乗り合わせない場合はうまくただ乗りできる。

私の場合、いつも同じ路線に同じ時間帯に乗っていたためか、コンドークトルの顔を覚えてしまった。しかし、最初の頃、タロンの穴あけに失敗して二重にパンチをしてしまい、コンドークトルから「不正使用」だといいがかりをつけられてしまった。たまたま横にいたロシア人が、私のパンチの仕方が悪くて2個穴があいたことを証言してくれたため難を逃れたが、以後「コンドークトル」は交通警察と同じくらい嫌な存在になった。

同じ時間帯、同じ路線に乗っていると、コンドークトルの顔も覚えてしまう。乗客全員をただ乗り犯罪者のように見る振る舞いやいちいち乗車券をチェックしたり運賃取り損ねの非効率さはあるものの、磁気カードの普及は彼らの仕事をなくしてしまったのではないかと思える。

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19.01.09

マルシュルートカ

「マルシュルートカ」は、バスなどと同じコース(マルシュルート)を行く乗り合いタクシーだ。ワゴン車に定員はだいたい8~10人。助手席にも乗り込む。料金はコースによって違うので一概に言えないが、モスクワ「市」の端っこからМКАД(環状線)を越えてモスクワ「県」に行くのに、15-20ルーブルぐらいから(2005年当時)。地下鉄の2倍くらいだが、どこまで行っても初乗料金なので遠くへ行くほど割安感がある。

乗り込んで出発を待つ。座席が埋まらないと出発しないから、早く乗り込めば好きな席を確保できる。乗客が埋まると運転手が料金を集め始める。後ろに座っている人は、自分の分を前の乗客に回す。

運転手はアゼルバイジャンなど、出稼ぎ旧ソ連圏の男性が多い。低賃金の歩合制なので、できるだけたくさん決められたコースを往復しなければならない。勢い走行スピードが速くなり、事故も多発。ロシア語がよくわからない運転手も。

それでも必ず座れ、乗降客がいないのに全部のバス停で停車するバスやトロリーよりも速く、「ここで降ろして」と言えば降ろしてくれる融通のよさで利用客は多い。

もちろんマルシュルートカにはバスや地下鉄などのような定期券や回数券はなく、いつも現金払いである。

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06.12.08

モスクワ地下鉄に人身事故はあるか

モスクワにいたとき、ほぼ毎日地下鉄に乗っていたにもかかわらず、日本の鉄道のように事故による遅延・運転見合わせというのには遭遇しなかった。安全確認などいいかげんなモスクワ地下鉄で、本当に事故が少なかったのか、真相はわからない。

ただ、知り合いのロシア人に言わせると、「本当は人身事故も起こっているし、鉄道自殺もある」という。ただ、日本のように運転を厳重に見合わせたりしないらしい。ときどき乗っている電車が急停止してしばらく動かなくなるときがあるが、状況説明は一切ない。

またモスクワ地下鉄のプラットフォームは、両サイドに線路があるので、乗降が右になったり左になったりしない。基本的に左の扉が開閉する。ところが、わずかにいくつかの駅は二つの路線が同一プラットフォームで乗り換えられるようになっているため、乗降口が逆になる。あるとき、例外的な駅で駆け込み乗車した人の荷物がドアにはさまったまま電車が出発した。かわいそうなことに、その乗客は荷物をはさんだまま、終点まで行くことになってしまったという。

ペテルブルグの地下鉄駅には、安全柵のついている所があるが、モスクワでは予算の都合かまだない。いずれにしても、あの乗客の多さ、オペレーションの粗さから、絶対事故がおきているはずなのだが・・・。

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11.03.08

パブトラム「アンヌシカ」

モスクワ生活で悔やまれること―それは、お座敷(?)路面電車(トラム)「アンヌシカ」に乗りそびれたことである。

このトラムは26番路線を走っており、その車体といいネーミングといい、ずばり「巨匠とマルガリータ」を意識しているパブトラム。夏も冬も走っているが、お客はあまり多そうではない。私が乗りそびれたのも、内部の様子がよくわからなかったことと、乗車運賃が普通のチケットより高かったらどうしよう、ぼったくられたらどうしよう、などと俗人的発想をしてしまったためである。

今も走っているかどうかわからないが、次回モスクワに行ったならば、必ず乗車してやろうと思っているトラムである。

下:地下鉄チースティ・プルディ駅そばで、方向転換をする「アンヌシカ」。

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15.11.07

冬のトラム(路面電車)

冬の路面電車はどうして深い雪に脱線しないのだろう。トラムに乗るたびにそんなことを考える。

「お座敷電車」のようなアミューズメント市電「アンヌーシカ」は寒くなっても走っていた。Трактир(居酒屋)という看板がかかっているため、なんとなく敬遠して乗らなかったのが後悔される。でも冬でもビールを立ち飲みしているロシア人のことだから、きっとそういう飲み物が売られているのだろう。「巨匠とマルガリータ」から来た「アンヌーシカ」というネーミング、願わくば誰も線路の上にひまわり油などこぼさないでほしいものだ。

Lomanovsky_prospekt Lomanovsky_prospekt2

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左・中 ロマノソフスキー・プロスペクトとそこを走るトラム。
右 ワルシャワ街道を走るトラム。

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14.07.07

夏のトラム(路面電車)

Tram1 Tram_entrance Tram_entrance2 Tram2

モスクワのトラム(路面電車)は楽しい。スピードはゆっくりだが、その分景色がよく見える。溝のうすい軌道を、よく脱線もせず走るものだと感心する。おまけに江ノ電のように、狭い路地のような道を行くコースもあり、思いがけない風景に出会うこともある。したがって、現在モスクワを走っているすべてのコースを征服したくなり、しかも何度でも乗りたくなる。

2003年ごろ、トラムにも前乗り後ろ降りのシステムが導入された。車社会のモスクワ、トラムの肩身もだんだん狭くなり、廃止路線も増えてきた。だが、100年を越すこの交通機関にはいつまでも生き残ってほしいと思う。

http://tram.ruz.net/tramcars/

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17.11.06

ミニメトロの風景

New_metro 2003年から次々開通している新しい路線がある。通称「ミニメトロ」と呼ばれていて、これまで開通していたメトロ路線よりも短い走行距離・少ない列車の連結数・モスクワ市とモスクワの飛び地を走るなど、今までのメトロとは違った特色を持つ。

私が初めてミニメトロに乗ったのは2004年に入ってから。なんとなく走りに不安定感がある。それにも増して驚いたのが車窓の眺め。建築中放置されたような高層アパート、掘り返されたままの地面、入居まちにして早くも朽ち始めた建物など、新興住宅地なのか廃墟なのかわからないような風景が広がる。

膨張し続けるモスクワだが、ミニメトロの走る場所は中心部から押し出される人たちの掃き溜めのように見えた。

Minimetro Бутовская линия

http://news.metro.ru/fotoll1.html

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17.10.06

モスクワのモノレール

    Ticket_examinerモスクワ市内の交通機関は大きく変わった。従来の地下鉄・バス・トロリーバス・路面電車に加え、ミニメトロそしてこのモノレールの開通。新しい交通機関の開業で、モスクワ地下鉄(Московский метрополитен)は「モスクワ高速交通システム」(Скоростный транспорт Москвы/Rapid transit system of Moscow)という名称になった。

2004年開通したモスクワモノレール。ヴェーデンハー(ВДНХ)からチミリャゼフスカヤ(Тимирязевская)まで、停車駅わずか6つの短い路線だ。この地域はまだ地下鉄駅もできておらず、陸の孤島のような感じであった。それだけにモノレールの開通は地域住民に待ち望まれていたのではないかと思っていた。

しかし他の交通手段との接続が悪く、乗車券も50ルーブルと地下鉄などの2倍以上。本数は1時間に2、3本。吹きさらしのプラットホームでの待ち時間は、とても長く感じられる。乗客も少なく、これではせっかく開通してもすぐに大赤字だ。

StationsMonorail_1View_from_monorailView_from_monorail2Monorail1Kondoctor

高架線上を走るので眺めは最高にいいが、このままでは先が思いやられる。

Seat

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17.07.06

モスクワのトロリーバス

旧共産圏の国に多く見られる乗り物の筆頭は、なんといってもトロリーバス。電線状パンタグラフに触覚のような二本の棒(なんという名称か不明)を接触させて電気を取りながら走る。排気ガスを出さないエコ・カーの草分け的乗り物なのである。

速度は遅いし、乗降客がいなくてもすべての停留所に止まるので、目的地に行くまで時間がかかる。でも一回60円程度で乗れてしまうのだから本当に安い。乗客は運転手から乗車券を買うか、もしくはあらかじめ買っていた回数券に自分でパンチを入れる。定期券を持っている人はただ乗り込むだけだ。当然キセル乗車も多い。

以前は、コンドクトルという私服の車掌が抜き打ちで乗車券のチェックをしていた。彼らは適当な停留所からいきなりトロリーバスに乗り込み、自分の身分証を振りかざしながら乗客の乗車券のパンチを検査。二重にパンチしていたりキセル乗客がいると、ただちにコンドクトルはその客に罰金を要求する。キセル客が罰金を拒否すると次の停留所で降ろされる。コンドクトルも一緒に降りてしまう。だから、もし他にキセル客がいても彼らはセーフ。Trolleybus

現在は、乗るときに乗車券を機械に通す方式に変わっているので、運転手が乗客を管理する。しかし、磁気式乗車券になって新たなトラブルが発生するようになった。

買ったばかりの乗車券なのに磁気に異常があって乗車できない、以前の乗車方式しか知らなくて運転手とケンカになる、一人一人乗車券を通さなければならないので、停留所に止まっている時間が長くなった、などなどなど。

とはいえ、新しい乗車システムになって1年はたつので、もう当初のようなトラブルは少なくなっていることだろう。地下鉄駅の間隔が長いモスクワでは、縦横無尽に走るトロリーバスは「つなぎ交通機関」としても市民の大事な足だ。どんなに車が増えようとも、がんばって存続していてほしい。

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写真はいずれも私がお世話になった2、44番トロリーバス。

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